中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3818回
集団就職で大きく変わった皆の運命

株をやっている場合でも、
数ある銘柄の中から何を選んで買うかによって、
その人の運命は大きく変わります。
一見、何でもないことのようですが、
無意識にやったことだとしても、
あなたを違った世界に導いてしまうのです。

たとえば、つい最近、中国農民銀行は香港に上場して、
日本円で2兆円ほどの資金を集めました。
いくら遊んでいる資金の多い香港でも
一社にそれだけのお金を持って行かれたら、
投機資金はそれだけ減ります。
でも減った分が農民銀行の手に打っただけのことですから、
農民銀行がそのお金をうまく運用すれば、
農民銀行の株が高くなることが考えられます。
でも多分、農民銀行は集めたお金を海外で資源を買いまくる
同じ国営系の大企業に融資することになるでしょう。
そういう企業がうまく金儲けをしてくれれば
全く問題はないのですが、
企業はスケールが大きくなればなるほど動きが鈍くなる――
と私は見ています。

ですから、私はマンモス企業に投資するよりも、
小型でも世の中の変化に素早く対応のできる成長産業を
投資の対象に選びます。
知らない人から見たら、危い橋を渡るように見えますが、
私の物の見方に間違いないことが大前提ですが、
小さい方が企業の成長も早いし、
株価の値上がりにもスピードがかかるので、
10年もたったら、
思ってもいなかったようなことが起るのではないでしょうか。

このことは、これからの仕事選びについても言えることです。
大抵の人が学校を卒業して就職先を選ぶ時は、
先ず自分の生まれ育った所で選びます。
昔々は百姓の子は百姓、
サムライの子はサムライときまっていました。
卒業と同時に、東京や大阪に集団就職するようになったのは
ついこの間のことです。
たったそれだけのことで、日本の国も大きく変わりましたが、
皆さんの運命も大きく変わりました。
その運命が世界の動きと同時に
また大きく変わるところにさしかかっているのです。


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2010年8月23日(月)

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