中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3823回
外国へ行って安易に日本料理屋をひらくな

どう考えても、このまま日本に残っていたら、
おまんまにありつけなくなるんじゃないかと心配になってきました。
38兆円しか税収がないのに政府が90兆円も
気前のよいお金の使い方を今後も続けるとなると、
そのうちに消費税増税どころか、
戦争の終った時にかけられた財産税を
ごっそりかけてくるのではないか。
でなければ、ドンドンお札の増刷をして
猛烈なインフレにして辻褄を合せるか。
いやいや、実は2つとも一緒にやるかという心配が
日増しに濃厚になっています。

それでいて円は見離されるどころか、
逆にかつて類を見ないところまで買われて、
日本国内で物をつくって外国に売っている企業は
日増しに採算が悪くなって、
どこの会社もいっそ工場ごと外国に移して、
外国でつくった製品を日本に逆輸入しようじゃないかと
本気になって実行に移そうとしている企業さえあります。

こういう時に、企業が海外移転をするのに
自分だけ日本に残ってそれで生きて行けるのでしょうか。
私はこうなることを10年も前から予想して周囲の若い人たちに
生活の本拠地を海外に移すことをすすめてきました。
もちろん、それなりに器用に移り動いて
外国でもちゃんとメシにありついている人が
いないとは言いませんが、
日本人は一般に物づくりには器用でも、
外国に行ってちゃんとした商売に恵まれる人は
そんなにたくさんはいません。

外国はどこに行っても、日本人の商売と言えば、
日本人相手の日本料理屋ということになってしまいます。
世界中が日本ブームになって
外国人も日本人に負けないくらい
日本料理を食べてくれるなら別ですが、
日本人相手で、しかもシロウトの域を出てない店が
外国へ行くとますますふえています。
あんな商売のやり方でどうやって生き残って行けるのでしょうか。
これから外国で生計を立てる日本人は
先ず自分の頭の中から日本料理屋を払いのけることが必要です。
さもないと外国でちゃんとメシを食って
行けないのではないでしょうか。


←前回記事へ

2010年8月28日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ