中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3824回
日本スタイルの中国料理で新展開を

外国に移って生計を立てようと計画している人が先ず考えることは
日本料理屋をひらくことです。
しかし、日本料理屋の一番のお客は日本人ですから、
その土地に住んでいる日本人か、
旅行に来た日本人ということになります。
そんな人はニューヨークか、パリか、
最近で言えば、北京や上海という大都会でも
そんなにたくさんはおりません。
日本人がふえると、それをオーバーして日本料理屋がふえますから、
いつもお客の不足に悩むことになってしまいます。

ならば、現地で一番多い現地人を
相手にすればいいじゃないかということになりますが、
いくら日本ブームになったとしても、
日本料理屋に現地人を呼び込むことは容易なことではありません。
かつてアメリカでベニハナが大人気を呼んだことがありますが、
あれは日本料理屋ではありません。
日本スタイルのアメリカ料理だったから、
アメリカ人に受け入れられたのです。

そのデンで発想を中国で事業に展開しようと思えば、
北京や上海で日本料理屋をひらくのではなくて、
日本スタイルの中華料理を打ち出すことになります。
いまのところ味千のような
日本式ラーメン屋がチェーン店を展開していますが、
もともとラーメンは中国が本家で
それを日本に輸入して日本風に改良したものです。
ちょうどアメリカでつくられた自動車を日本に取り入れて
日本風に改良したものをトヨタやホンダや日産が
アメリカで市場をひろげているのと
同工異曲だと言ってよいでしょう。

いまのところはまだラーメンの域を出ませんが、
それを更に進めて行けば、
日本人が中国に行って中国料理で勝負をかけることも
視界に入ってくるのではないでしょうか。
中国料理を改良することと
日本的なサービスを行き届かせることによって、
新しい展開が可能になってきます。
ちょっと一工夫すれば、
日本人のやれる分野はいくらでもあるのではないでしょうか。


←前回記事へ

2010年8月29日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ