中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3861回
村一番、町一番の顔役になる条件

ではお金の儲かる仕事とは何か、
どうやったらそういう仕事にありつけるのかということになります。
俗に「必要は発明の母」と言うように
社会が必要としている物、
皆が欲しがる物をつくったり、提供する仕事をやれば、
皆が喜んでお金を払ってくれますから、
商売として必らず成り立ちます。

たとえば、私の知っている人に豆腐が腐らないように
製造過程で中に入れる防腐剤を発明した人がおりました。
豆腐という名称を見てもわかるように
大豆を炊いて豆腐をつくると、
豆腐屋さんがラッパを鳴らして売り歩いているうちに
鮮度を失って食べられなくなったので、
豆腐という名前がついたのです。
現に私がまだ子供の頃は
夕方になるとすぐ腐ったような匂いが鼻について
もう見向きもされないのが豆腐でした。

その豆腐に添加して翌日までおいても腐らない豆腐にしたおかげで
その人は巨万の富を築くことができました。
私はご本人から直にきいたのですが、
最初から豆腐に目をつけたわけではなく、
偽物の真珠をつくったり、水の上を走らせる自転車をつくったり
様々の発明に熱中しているうちに、
偶然にも豆腐を腐らせない添加剤にぶっつかったのだそうです。
一旦、お金の儲かる仕事を見つけたら、
ほかのことはやらなくてもお金がザクザク入って来るようになるし、
俄かに忙しくなって
他の事にかまってはいられなくなるものなのです。

もちろん、お金の儲かる仕事と一口に言っても、
世界を制覇するような大事業になる物もあれば、
ご本人を村一番の金持ちにする地場産業もあります。
そのどちらであってもかまいませんし、
それぞれの人の器ということもありますから、
その人にふさわしいお金の儲かる仕事を見つければいいのです。
どちらにしても、それはメーカーが決めた値段で、
儲けの額まで自分の自由のきかない業種でないことが大切です。
昔は材木屋とか、造り酒屋とか、宿屋で村一番にのしあがった人が
村や町の顔役になったのです。


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2010年10月5日(火)

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