中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3880回
現地でひらくなら日本風現地料理屋を

外国に行って日本料理屋をひらいて
全く成功した人がいないとは私も言いません。
ニューヨークで日本料理屋をひらいて成功した人が
東京で店をひらいて評判になった例もあります。

しかし、最初は日本料理屋からはじめた人でも
現地人をお客にするために、
商売の中身ややり方を現地人向きのレストランに切り換えて
成功した例の方が参考になるのではないでしょうか。
たとえばアメリカで大成功したベニハナは
日本料理屋というよりは日本風のアメリカ料理だったから
広くアメリカ人に受け入れられたのです。
包丁を両手に持って
ダンスもどきのジェスチャーをやって見せたのは
客を喜ばせるためのおまけと言ってよいでしょう。

また私はバンコックでタイ風の焼肉屋のチェーンづくりに成功して
株式を上場した人を知っていますが、
現地の日本人でなくて、
タイ人にあれだけ人気があるようになったのは
タイ人の嗜好と懐具合をよく研究した結果だと見ています。

ですから、世界中のどこの都市からはじめたにせよ、
現地で大流行するためには現地の人たちの嗜好をよく研究して、
それに合わせた料理やサービスを提供する必要があります。
従って日本人が中国で中国料理を、
またフランスでフランス料理を提供して評判をとったとしても
決して不思議なことではありません。

現に私は先ず日本的なサービスからはじまって、
コックも日本人が中国で修業して
新しい四川料理はできないものか、
新しい饅頭や点心はできないものかとあれこれ工夫もし、
日本人の若い料理研究家の手伝いもしております。
ですから日本から中国に料理の勉強に来て、
日本に帰って中国料理屋をひらくのではなくて、
一味も二味も違う中国料理屋を中国でひらくことができたらと
具体的にその努力もしています。
それでこそ新しいグローバル化時代の幕あけに
近づくのではないでしょうか。


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2010年10月24日(日)

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