中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3885回
雲南のコーヒーづくりに手を出した動機

中国じゅうを旅行してまわるようになってから、
私は「中国は一つ」と考えるより、
それぞれの土地にはそれぞれの特長があり、
住んでいる人の気質も違えば、
やれる仕事も違うと思うようになりました。
現にあちこちで仕事をやっていますが、
北京と上海と天津と成都では
それぞれ全く違う仕事をやっています。

はじめて昆明に行った時、
私の頭の中には普洱茶とワインくらしかありませんでした。
香港でヤムツァ(飲茶)に行くと出てくるお茶で
最も人気があるのは普洱茶(プーアール茶)です。
馴れない間はカビ臭くて閉口しましたが
馴れるとカビ臭くないと物足りなくなります。
またフランスの宣教師が葡萄の苗をインドチャイナから持ち込んで
ワインをつくったことが私の記憶に遺っており、
昆明に入ると食事の時は
すぐ地元のワインを注文して試してみました。

何回か雲南省に足を運んでいるうちに、
もし雲南省で何か手がけるなら、
ワインをつくってみたいと思うようになりました。
そこでワインの工場も見学に行き、
煙台の張裕ワインの指導をした
甲州のワイン・メーカーのオーナー
塚本俊彦さんにも相談したのですが、
フランスの一流品と
肩を並べることのできるワインをつくるのには
苗を植えることからはじめなければならいないので
15年はかかると言われ、
自分の齢を考えて断念せざるを得ませんでした。

その点、同じ雲南省で栽培されているコーヒーは、
これまたフランス人の宣教師が持ち込んで来たものですが、
こちらは植えてから3年で実がなるから間に合うと言われました。
雲南省のコーヒーはジャマイカのブルーマウンテンと同じく
ティピカという品種で、味はいいのですが、
小粒で虫食いも多く、収穫量も少ないので
百姓たちから見捨てられつつあると説明されました。
それならひとつやって見るかと男気を出してはじめたのが
私のコーヒーづくりだったのです。
もう7年も前のことです。


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2010年10月29日(金)

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