中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3913回
自動車ブームが続けば何が不足するか

銀行、不動産についで、過剰流動性の影響を大きく受けるのは
何と言っても自動車でしょう。
自動車は家についで多くの人の欲しがる物ですから、
高度成長がはじまれば、とりわけ若い人の注目の的になります。

私は10年も前から今に中国の自動車は
1億台を越えるようになるだろうと言ってきましたが、
ことしは恐らく1年で
1500万台を越える生産台数を記録することになるでしょう。
それなら自動車株に陽が当るだろうと
早合点する人もあるでしょうが、
自動車ブームを当て込んで
自動車の生産にうつつを抜かしている会社が100社以上もあり、
平均したら1社に十何万台ていどの生産台数ということになります。

その中から、日本におけるトヨタとホンダにあたるメーカーが
出現することは間違いありませんが、
30何年前の日本でどのメーカーが先陣を切るようになるかは
全く見当もつきませんでした。
それと同じことがいま中国で起っており、
BYDがトップを切るのか、
それとも突如としてダーク・ホースが現われるのか、
誰にもわかりません。
それでも100社を超えるメーカーがしのぎを削るとなれば、
儲かるメーカーもあるけれど、値引き競争は避けられないし、
売れ残った新車は叩き売りの対象になってしまいます。
ですからかなり好業績をあげているメーカーの株でも
期待するほどの値上がりはしていません。
株のベテランは
それくらいのことは百も承知だと考えるべきでしょう。

ですから、
自動車の大ブームを前提にして手堅い動きが期待できるのは、
1つはオートバックスのような
自動車の修理や部品の提供をする企業であり、
もう1つはガソリンや原油や天然ガスの輸送をする
燃料のパイプということになります。
輸送用のパイプはまだアメリカの10分の1もできていないので、
新焦点と勝利管道をこれからの小型成長株としてとりあげたのです。
いずれもあと5年か、あるいはそれ以上の長期にわたって
仕事を一杯抱えることになると見ています。


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2010年11月26日(金)

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