中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3921回
亨泰に目をつけたきっかけ

もう一つ、私の頭にこびりついて離れないものに
通貨の問題があります。
それは人民元の切り上げです。
日本の場合も、一方的に輸出がふえはじめると、
「円が安すぎるからだ」とアメリカをはじめ、
世界中から文句を言われるようになりました。
私が「円は1ドルが100円になりますよ」と言って
プロの連中から笑われましたが、
発言して9年たってから本当に100円になりました。

ですから私が「人民元は1ドル4元になりますよ」と言ってから
まだ4年くらいしかたっていませんから、
実現にはまだまだ時間がかかるでしょう。
でも大切なのはどっちの方向に向かっているかということで、
その見定めが間違っていなかったら、
「どんな商売をやればよいか」
また「事業をどんな方向に向けて動かせばいいか」
方向を決めることに役立ちます。

どう考えても人民元が強くなって
切り上げを要求される方向であれば、
大勢から言って輸出産業は不利になって
輸入産業にとって追い風になります。
そう考えたので、
繊維とか縫製とか靴を作ったりする業種には魅力を感じなくなり、
輸入で儲けている会社はないかと探がすようになります。

そういう目で中国株の四季報をめくっていたら、
食品の輸入をしていて年々、売上げをふやしている
亨泰という会社が目につきました。
売上げが毎年かなりのスピードで伸びているのと、
財務内容を見ると、資本金に比して100倍近くも積立金があるので、
興味を持つようになり会社のトップの人たちとも
接触するようになりました。

人民元が強くなれば
輸出より輸入の方が有利になることもありますが、
これから年々、賃上げによる所得の増大で
消費がふえることは目に見えています。
消費の中で一番大きなパーセンテージを占めるのは
何と言っても食品です。
そう考えたのでボツリボツリこの株の安値を拾うようになりました。
安値と言っても30セントになってからではありません。
高いときは1ドル50セントくらいしていました。


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2010年12月4日(土)

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