中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3920回
大規模農業とは零細農業を大きくしただけ

中国の工業化が進めば、
食糧の不足が起ることは目に見えています。
ところが、中国の農業の生産性は日本より
もっと遅れていて、
農民はずっと貧しい生活を続けています。
そうした中で、量産の必要に迫られて
大規模農業に従事する企業が全国各地に現れて、
それなりの業績をあげています。

なかでもその先端を切って上場企業になったのが
ご承知のように、超大現代農業と緑色食品の2社です。
業績を見ると、どちらも大へんな利益をあげているだけでなく、
年々の成長にも目を見張るだけの数字が見られます。
私たちのように日本の農協の後進性に慣れた者には
信じられないような発展ぶりです。
何しろ1社の売上げが50億元(750億円)とか
30億元(450億円)とかで、
計上益もその3割か4割に及んでいるではありませんか。

赤字の会社なら粉飾決算というのもありますが、
その必要もないばかりか、
ちゃんと税金も納めているのですから、
思わず目をこすりたくなります。
そこで現場を見たくなって先ずパソコンで資料を覗きます。
すると機械化の進んだ農地の光景や宣伝文がとびこんできます。
「へーえ、そんなに進んでいるのか」とびっくりして、
福建省や広東省や更には山東省や寧夏自治区まで足を伸ばして
大規模農業をやっているところを片っ端しから見てまわりました。

機械化、合理化は眞っ赤な嘘で、
どこの農場も、零細農民がやっていることを
スケールを大きくしてやっているだけで、
機械化は運搬をするトラックだけです。
あとはケチャップをつくったり、
ジュースをつくったりする加工工場が
機械化されているくらいなものです。
それでいてコストの3倍の値段で作物が売れているということは、
天秤棒で担いで市場まで売りに行く従来の農民のやり方が
いかに効率が悪いかを立証することになります。
中国でもいよいよ
農業に新風が吹き込んで来るところまで来たという
風景を見せられたということになります。


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2010年12月3日(金)

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