中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3937回
借金するな、欲張りすぎるな

やがてバブルが発生するとしても、
その前に資産インフレが先行することが大前提です。
日本の場合は株価が3倍にも5倍にも値上がりしましたが、
土地に至ってはあッという間に、10倍にもなりました。
それも東京から先ず起って
地方都市の隅々にまで波及して行ったので、
息をつく間もないくらいのスピードでした。

それが大蔵省と日銀の間で、
利上げと不動産への融資を同時にストップする挙に出た途端に、
形勢が逆転して一瀉千里に値下がりがはじまったので、
私は「土地が値上がりして損をする人はいないけれど、
このまま下がり続けたら大へんなことになる」
と政府の強行策に反対の意見を述べましたが、
バブルがはじけた後遺症が16年にもわたって続いたことは
皆さんもご存じの通りです。

こうした日本の二の舞をはたして中国が演ずるかどうかは、
中国がどういう対策をとるかによってきまりますが、
中国も人民元の切り上げにはかなり抵抗を見せていますから
その可能性はきわめて濃厚と見てよいのではないでしょうか。
しかし、そうなる前に、株価が大暴騰したり、
不動産が10倍になったりする過程がありますから、
過剰流動性の発生を食いとめることができない限り、
バブルは必らずまき起ると見てよいのではないでしょうか。

ならば株や不動産の値上がりにはつきあいたいが、
大暴落につきあわないですむ方法があるでしょうか。
資産インフレに乗るためには借金をして資産を買うに限りますが、
バブルでアウトにならないためには
借金をしないに越したことはありません。
借金は両刃の刀みたいなものですから、
それをうまく使いこなせない人にとっては大怪我のもとになります。
これからの10年は中国で
いよいよバブルの本番がはじまるところですから、
株や不動産で大儲けをするチャンスがありますが、
同時に返り血を浴びる可能性も大です。
今までより一段と注意深く行動しなくなくっちゃと
私も自分に言いきかせているところです。


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2010年12月20日(月)

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