中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3948回
中国のバブルが視界に入ってきました

今日はいよいよ大晦日です。
今年1年をふりかえってみて、
自分がやりたいと思ったことがどのくらい実現できましたか。
また株をやっている人は、
どのくらいの実績をあげることができましたか。

リーマン・ショックの影響がアメリカだけでなく、
ヨーロッパやアメリカにまで及び、
更にはペーパー・マネーや
現行の為替制度の欠陥が表面化したユーロの国々まで波及すると、
世界的なピンチはそう簡単には回復しそうにないように見えます。
そのとばっちりは当然、アジアにも及んでいますが、
アジアを動かしている新しい波は
また別の動きと見た方がいいのではないでしょうか。

もちろん、アメリカはドルを印刷して
世界中から仕入れた物の支払いに当て、
相手に渡ったドルを「もっとふやしてあげましょう」
と言ってそのお金で世界中に投資をしていますから、
アジアの国々もそれなりにその被害を蒙っています。
とりわけ地元の資金を集めて
アメリカの投資銀行に投資している香港やシンガポールの銀行は
それ相応の打撃を蒙っていると言ってよいでしょう。

でもそれが一段落すれば、
それで一件落着というよりは、
ドルから人民元にバトン・タッチされるプロセスで、
更に一段と新しい頭痛のタネに見舞われると
考えるべきではないでしょうか。
アメリカやヨーロッパの経済がピンチにおちいっても、
中国の輸出黒字がとまらず、
見ている前で外貨準備の山が更に積み上げられるとすれば、
次に中国を訪れるのは
バブルの発生以外には考えられないからです。

日本の前例もあることだし、
前者の轍を踏まないことが中国の最大の関心事ですが、
人民元がこれ以上のスピードでふえ続ける姿勢に
ブレーキをかけない限り、
中国経済がバブルに向って突進する姿が視界に入ってきたのです。
良い年を迎える前に日本でどんなことが起ったが、
もう一度思い出して下さい。
では良いお年を。


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2010年12月31日(金)

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