中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3955回
増資の発表がナンピンのチャンスかも?

会社の増資に応ずるかどうかは、もちろん、株主の自由です。
反対に増資に応ずる資格があるのに、
日本の証券会社で取引しているために
その権利を失うのはマイナスのハンディです。
こういう時代錯誤の法律は1日も早く解消すればいいのに、
それが放置されているのは証券業界の怠慢でもありますし、
政治家の後進性を示すものでもあります。
殊に昨今のように円高で、海外投資に関心を持つ人がふえると、
その不合理さがいよいよ目立ってきます。

いまの香港では株主に対する増資の割当ては
第三者割当より少しは有利な仕組になっていますが、
第三者割当の方がふえる方向にあります。
投資信託か、投資銀行と話がつけば、
必要な資金がすぐにも調達できるのですから、
資金需要の激しい企業はこの方法を選ぶことが多くなっています。
ですからこうした増資の方法を選ぶということは、
資金需要の旺盛な企業だということになります。
もちろん、ピンチにおちいっている企業も
同じ方法を選ぶでしょうが。

亨泰に続いて、中国金属再生資源、更に北控水務が
同じ第三者割当の増資を発表したのは、
私がそそのかしたわけではなくて、
私が目をつけた企業がいずれも資金需要旺盛な、
食い盛りの企業だったことになります。
第三者割当をすると株数ばかりふえて
株価に悪い影響をあたえるんじゃないかと
反射的に考える投資かもあるようですが、
それはその企業のおかれた立場によって判断すべきことです。
私が見学に行った3社はいずれも
これから10年の中国の経済成長の中で、
それぞれ大きな役割をはたすと私は見ているので、
増資発表によって下がったところを
ナンピンをかける側にまわっています。

私の場合は1年勝負の株式投資でなくて、
少くとも3年、見るべき業績をあげるためには
5年はかかると覚悟していますので、
その過程での上げ下げに
いちいち神経をとがらせることはありません。
問題はそうした資金の需要が
ちゃんと効果をあげてくれる企業であるかどうかです。
増資の発表はそうした判断が正しいかどうかを
再検討するチャンスなのです。


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2011年1月7日(金)

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