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第3957回
増資する会社の内容をよく調べること

いま香港で上場している中国株の増資は大体が株主に割り当てるか、
時価より1割か、1割5分くらい安い値段で
第三者に割り当てられています。
既存の株主に割り当てる場合は
増資後もすぐ時価に戻れるような値段に設定することが多いので、
そんなに嫌がられることはありません。

但し、日本の証券会社につくった口座から投資している場合は、
日本の法律の制約があって増資に応ずることができないので、
棄権するか、増資前に売却することになります。
最近では増資の権利を現地の投資家に売却して、
株主に若干戻してくれる証券会社もあるようですが。

上場会社が増資をするのは資金を調達する必要があるからですが、
一口に資金需要があると言っても、
本業を拡大するための会社もあれば、
資金のショートを起して緊急事態に対処するケースもあります。
ですからケース・バイ・ケースでよく調べる必要があります。

私が目をつけている会社の場合は、
仕事を拡張する必要に迫られていることが多く、
業績も大へんな勢いで上昇しており、
増資計画を向うから言われなくとも、
「これじゃ増資をしないととても間に合いませんね」
とこちらから質問することが珍しくありません。
その場合も、株価が高い方が企業にとっては有利ですから
「株主のこともちゃんと考慮して下さいね」
と私は念を押します。

たとえば中国金属再生資源の場合は、
屑屋が大きくなったと言っても、
業界シェアーは僅か2%にすぎません。
でもその他大ぜいの群小企業は古鉄や古銅や古アルミの回収をしても
メーカーが相手にしてくれないのです。
そうなると、群小メーカーを傘下に入れるか、
買収することは必然の方向です。
私が見ていると業界シェアーの2%は
あッという間に20%になることは目に見えていますから、
増資は1回や2回ではすまない動きということになります。
あとは業績が
予定通りの方向に動くかどうかということに搾られます。


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2011年1月9日(日)

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