中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3979回
トップの人材が育っているかどうか

よく計算して見ると、日本のデパートもスーパーも、
お客にとっても業者にとってもうんと有利にできています。
衣料品売場なら衣料品売場、靴売場なら靴売場、
また食品売場なら食品売場には
お客の欲しがる物がズラリと並んでいて、
1つの店の商品が気に入らなかったら、
10歩か20歩、歩いただけで次の店に行くことができます。
どこにどんな商品がおいてあるかは
見渡しただけですぐにわかりますから、
ちょっと移動しただけで目的を達することができます。

ショッピング・センターの中の有名店みたいに、
入るだけでもちょっと億劫で、丁寧に扱われたら
手ぶらで出てくるだけでも気が重くなります。
その点、日本のデパートやスーパーでは
売り子が業者から派遣されてきた店員だとしても、
家賃は売り上げの中のパーセンテイジで差しひかれるだけですから、
業者の負担はうんと軽くてすみます。
業績がかんばしくなく引き払う場合でも、
ショーケースだってデパートやスーパーのものですから
大きな金を負担することにはなりません。
その分だけ出店することも退店することも
そんなに難しいことになりませんから、
有名店に出店させてもらえるかどうかが
キイ・ポイントということになります。

もちろん、
現地のデパートや欧米から進出したデパートやスーパーには
勝手にバーゲン・セールをやったり、
商品の配達を業者に押しつけたりするところもあります。
それに比べると日本のサービス業は
激しい競争を乗りこえて生き残って来たつわものどもですから、
消費者の要求や対応の仕方には人一倍敏感ですが、
出店業者の立場も考慮します。
日本国内でそうした環境を生き残ってきたのですから、
中国をはじめ、アジアの次の発展途上国で生き残りに賭けることは
そんなに難しいことではありません。

要は新しく出店した国々の現地の消費者の動向が
日本とどう違うかを見逃さず、
うまく適応できるかどうかにかかっています。
うまく業績を伸ばしていけるかどうかは
そういう人材を抱えているかどうかにかかっています。


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2011年1月31日(月)

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