中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3990回
チャンスはまだまだあります

ことしに入ってから、
ここのところ中国でバブルの発生する可能性について
警告を発してきたので、
皆さんの中にはびっくり仰天して、
株も不動産も手仕舞いしようかと
ドキドキしている方もあるようです。

でも私の言っているのは寒い真夜中に拍子木打ち鳴らして
「火の用心」と唸っているようなものですから、
明日にも日本で起ったようなことが
中国でも起るぞと叫んでいるわけではありません。
中国の政府も必死だし、何かそれらしい徴候が見えると、
金利を上げたり、預金準備率を引き上げて対策をとっています。
ですからバブルの不意討ちが突然起るわけではありませんが、
過剰流動性の発生は政府が紙幣を印刷する今日の貨幣制度と、
外貨準備を前提に自国紙幣を発行できる
今日の為替制度が避けることのできない副作用ですから、
早晩起ることだと見ているのです。

そうしたことが起っても、
影響を受けるのはお金であって人ではありません。
ですからお金を持たない貧乏人はとりあえず心配ありません。
心配なのは財産を持っている人と、
お金を株や不動産に投資して運用している人と、
そして、なかでも借金をして事業を展開している人です。

日本の場合は株は4分の1に、
土地や不動産は10分の1まで値下がりしたのに、
銀行からの借金は額面通りですから、
借金の多い人はお金が返せなくなったばかりでなく、
そうした不良債権をたくさん抱え込んだ銀行は、
銀行の方が倒産する憂目を見たのです。
ですから過剰流動性が一段とすすめば、
株や不動産が更に何倍も値上がりするチャンスはまだ残っており、
これからだって投機で儲けるチャンスはまだ残っています。

そういうチャンスにどう対処するかは
人それぞれの物の考え方と立場があって、
自分がどうするかはご自分で決めるよりほかありません。
一番いい方法はそういう時でもあまり影響を受けない、
比較的安全な投資の仕方はないものか、
それをこれから考えることです。


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2011年2月11日(金)

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