中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3991回
懸案の新事業が少しずつ実現へ

中国の経済が今後も今までと似たスピードで成長を続けたら、
輸出も国内消費も今までよりもっとふえますから、
資源の消耗が莫大なものになることは目に見えています。
そのためには国内資源の開発だけでなく、
海外の資源を確保する必要があると中国の政府は考えています。

そのためにこの数年、積み上げてきた莫大な外貨も、
今後、更にふえ続ける外貨も、
かなりの部分を資源の確保に充てることは
先ず間違いのないところでしょう。
その場合、中国の政府には
このお金は輸出をして外貨を稼いだ企業のものであって
政府のものでないという認識がないので、
政府が一方的にその資金を運用すると、
過剰流動性の解消ができなくなって、
バブルが発生することが避けられなくなると私は見ています。

しかし、仮りにその通りだとしても、
世界の資源を中国の手に納めることになりますから、
日本の私企業がアメリカの不動産や株に投機して
続く円高で大半を失ったケースよりは
ずっと役立つことに間違いはありません。
国内は人民元のふえた分だけインフレになり、
不動産も株も高くなり、生活費も高くなりますが、
それをカバーするように賃上げも起りますから、
デフレによって不況が表面化するより、
中国の好景気が続くことが考えられます。

そうした中で高い株価を維持できるのは、
社会が必要とする分野で、生産が需要に追いつく業種よりも、
生産が需要に追いつけない業種、
もしくは供給が需要に追いついても、
需要がさらにふえ続ける業種に陽が当ることは目に見えています。
私が水や銅などの有限資源に目をつけたり、
ふえ続ける老人に製薬会社を結びつけたり、
また生活の向上と共に食糧不足の時代が来ることを予言したのは、
いずれもインフレが進んでもそれを上廻わる形で
新しい需要が起る業界を念頭においているからです。
最近で言えば、
中国がロシアから天然ガスをパイプで引く事業が具体化したことは
新しい成長産業として注目に値いするのではないでしょうか。


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2011年2月12日(土)

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