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第3994
いよいよパイプ業に陽の当る時が

中国の石油の消費量はアメリカの半分を突破しました。
自動車がふえるのと経済の発展で、
石油の消費量は猛烈な勢いで上昇する方向にあります。
日本と違ってアメリカ同様に広大な大陸ですから、
エネルギーを自動車で運搬するわけに行かないのです。

ところが、
中国はパイプで運ぶ施設がアメリカの10分の1も完成しておらず、
早急に手を打つ必要に迫られています。
アメリカの場合は船で運んで来た原油や天然ガスを
陸上にあげてから運ぶ手段を考えれば事足りますが
中国の場合はアメリカの軍事基地がマラッカ海峡で頑張っていて
石油を積んだ船が通れなくなる心配があります。
そうした場合を想定して、中国はイランからの運搬は一たん、
パキスタンで荷揚げしてパイプで中国との国境まで運び、
またアフリカからの運搬はベンガル湾で卸し、
ミャンマーをパイプで雲南省まで送り込むことを想定して
プランを立てています。
つまり中国のパイプ・ラインはそのもののスタートからして
国際的な動きを想定しており、
ご承知のように昨年は中国の総理がミャンマーまででかけて行って
ミャンマーの総理と契約にサインをしています。

それが今年になると、
国家能源局長が向う5年間の原油儲備計画を発表するようになり、
向う5年に備蓄基地を5ヵ所は建設するプランが建てられています。
更にロシアから中国に対して
中露石油パイプラインで今年から年1500万トン原油を
20年にわたって供給することになり、
それを運ぶ全長997キロのうち
925キロは中国領内にあると発表されております。

こうなると、中国に4社ほどあるパイプ・ラインの生産施工会社は
どこがどこを受注するどころか、
恐らく全部がフル操業に追い込まれるのではないでしょうか。
人民元がどんな動きになるかといった次元の
ビジネスではないのです。
これからでもまだ充分、間に合う
新しい投資対象の一つと見てよいのではないでしょうか。


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2011年2月15日(火)

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