中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3995回
神冠控股は「高い株ほどよく上がる」の見本

ここのところ、ずっと工場見学を続けてきましたが、
文献を見たり、数字の動きを睨んで考えたことと、
実際の現場を見たり、経営者から説明を受けた印象で
かなりの食い違いが生じることもしばしばあります。

会社によっては経営者が全く顔を出さない会社もあれば、
工場そのものの見学を拒否する会社もあります。
「見学者の中に同業者がいて、
会社の秘密が盗まれたら困るから」
とこちらがびっくりするようなことを言う会社もあります。
ソーセージの皮をつくっている神冠控股(829)はその1社で、
折角、南寧まで飛行機をとばして梧州まで
千里の道を遠しとして見学をするスケジュールを組んだのに、
「会社の近況なら、
こちらから香港に人を派遣してご説明申し上げます」
と断わられてしまいました。

たかがソーセージの皮にそんな秘密があるのかと
私は笑い返えしましたが、
南寧に代わって桂林に川下りに皆を案内し、
広州へ出て「中国金属再生資源」のリサイクル工場の現場を見てから
香港の証券会社の講堂を借りて、
当事者の詳細な説明を受けて見ると、
予定していたよりは生産技術にもユニークな特長があって、
しかも中国全体に独占に近い地位を築いて、
販売にもお金の回収システムにも独特の工夫があって、
こんな立派な会社が中国の食肉業界にもあるのかと
こちらが感銘を受けたのです。

私がこの株に手を出したのが7ドル前後で、
現在既に10ドルから11ドル台を行ったり来たりしていますが、
その半独占的な納入先である
世界一スケールの大きな食肉会社
雨潤食品の30ドルの株価を考えたら、まだまだ高いとは言えません。
何しろ売上げの半分が計上益で、
しかも年に50%から倍近い伸び率で成長していますから、
これは「時間待ちの銘柄」だととてもびっくりしました。
「高い株は手を出しにくい」という欠点がありますが、
「高い株ほどよく上がる」ということも実際に起っています。
こんな株を買ったら、
ジッと辛抱して持ち続けるよりほかないでしょうね。


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2011年2月16日(水)

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