中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4008回
株式投資の予習復習を少しばかり

そろそろ株の勉強に戻りましょう。
株にもベテランと駈け出しがあります。
ベテランならくりかえし色んな経験をしているから、
改めて勉強の必要がないと思うかも知れませんが、
株の世界に起ることはこれから起ることが問題で、
過去に起ったことのくりかえしではありません。
証券界で働いている人が株で儲からないのは
過去のことはよく知っているけれども、
未来に対するキャッチがよくできていないからです。

はじめて株をやる人は、もちろん、西も東もわからないのですから、
一からよく勉強しなければなりません。
株価の動きは産業界に新しく次々と起る変化と
そうした変化に対する投資家の
欲の塊の対応の結集したものですから、
全く同じでない面もあれば、似たような面もあります。
その微妙な違いを、神ならぬ身で正確にキャッチすることは
容易なことではありません。

私は何事も現象としてとらえるよりは、
異る現象を貫く
原則や法則は何かということに興味を持っているので、
株をはじめた時もすぐに株価の上げ下げの差額を担うよりも、
一定の時間をかけて
大きく成長して行く銘柄は何かということを探がし出して来て、
それに賭ける方がずっと儲かることに気づいたので
兜町にはじめて「成長株」というリクツを持ち込みました。

この半世紀に日本だけでも産業界では
新しい成長株が次々と誕生しましたが、
成長株買いが一番チャンスの多い投資法であることは
一応定着したと考えていいでしょう。
但し株をやる人の欲望に対する戦いにはさして進歩が見られず、
買い値を割っている間はジッとガマンするのに、
ちょっと買い値より高くなって儲けが出はじめると
手離しですぐにも儲かった儲かったと手を叩いて喜ぶことも、
また売った株がそれより更にグングン上がってバカを見る愚かさも
一向に改善されておりません。
折りにふれて私が皆さんに提案したことを
少しばかりここで予習復習してみたいと思います。


←前回記事へ

2011年3月1日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ