中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4009回
株は値上がりしない株から売るものです

産業界には景気不景気の波があります。
海に干潮満潮があり、
また天気に晴、曇、雨があるようなものです。
ですから同じ仕事をしていても、
時により好景気に恵まれることもあれば、
ピンチにあえぐこともあります。
株価はそうした企業の現状を反映するものですから、
安い時に株を買って、
景気がよくなって株が値上がりした時に
それを売れば、その差額を儲けることができます。

でもどの時点が安い所で、
どの時点が高いところかは実際に過ぎて見なければわかりません。
「天井3日、底100日」と株の諺にもあるように、
下積みの時間はうんざりするほど長く続き、
上げに転じても3日上げたと思った瞬間に、
また下げるということがしばしば起ります。
株を買って何回もそういう目にあうと、
「今度こそチャンスを逃がすまい」とばかりに、
自分の買値を2割か、3割オーバーしたところで、
あわてて売り逃げたりします。

すると、そのあとが倍にも2倍にも値上がりして
何年も辛抱して待っていた大魚を逃がしてしまう
ということがしばしば起ります。
どうしてそんなことが起るかというと、
1つの企業が好転するのは俄かに起ることではなくて、
長い時間をかけて努力の結果が形になって現われるのですから、
その間に貯まったプラスのエネルギーは
あなたが考えるよりもずっと大きい場合が多いのです。

ですから、株をやる人は
値上がりしはじめた株をあわてて売ってはいけないのです。
そういうやり方をすると値上がりをする株を片っぱしから
売りとばして、損をしている株だけ手元に残ってしまいます。
気がついて見たら、中国株をやっている人なら
中国じゅうのボロ株の蒐集だけを
やっていることになってしまいます。
ですから、株をやる人は
儲かった株を次々と売っていくのではなくて、
自分はどこを間違えたかをよく研究して、
損をした株は売って、利に乗った株は
手元に残すように工夫すればよいのです。
痛みを毎日なめているよりも、
損した分はあきらめて値上がりしそうな株は何かに
頭を使った方が健康のためにもいいのです。


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2011年3月2日(水)

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