中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4017回
何と間抜けの多いことか、株の世界でも

人間というくらいですから、人の一生は時間でできています。
芝居だって幕がひらいたら本番がはじまりますが、
幕の開く前に幕合いの時間があります。
人生はまさか幕合いもなく、休む時間もなく、
息もつかずに活劇が続くものではありません。

そうした余裕のない人を、日本語では「間抜け」と言います。
間抜けには本番しかないので、息をつく間がなく、
従ってうまく本番もつとまらないのです。
このことは株をやる場合にも実際に起ることです。
株で儲けるためには一定の時間が必要なのに、
株をやっている多くの人は株を買ったら
明日からでも株が値上がりすることを期待し、
2日か3日、株価が動かないとイライラします。

ましてや値上がりを期待して動きはじめた株にとびついて、
逆に下げるとあわてて投げに出て、
損をしたのを私などのせいにして、
私のことを悪様に罵ったりします。
前にも述べましたが、私は一勝負を少くとも2年と心得ているので、
まだ買いたいと思った分も買えていないのに、
早くも勝負が終っている人が少くないのです。
そういう人がいるおかげで
お金を儲けさせてもらっているのだと思えば、
別に腹も立ちませんが、それにしても何と時間の余裕を持たない
「間抜け」がこんなに多いのでしょうか。

たとえば、大規模農業に手を出した亨泰が
2つ目と3つ目の農場に手を出したのは昨年の夏頃からですから、
畑の整理ができて野菜の種つけをして物になるのに
早くても半年、常識的には1年かかってしまいます。
そうなると、半期目の12月期(この会社は6月が決算期)は
まだ業績をあげるまでに至っていないことは
投資をする人の常識です。
それなのに半期の業績が発表されると、わッと売りが出て
株価が大下がりに下がりました。
このへんが間抜けとそうでない人の違いが目立つ時で、
逆に言えばちゃんとした人が
ナンピンをする好機ということになります。
人生何事も待ち時間が必要なんです。


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2011年3月10日(木)

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