中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4018回
一に我慢、二に我慢、三に我慢

どの株が値上がりしそうな株であるかを見分けることは、
もちろん、大切なことです。
自分でそれができるようになれば、一人前と言っていいでしょう。

でも大抵の人はそれができません。
経済雑誌を読んだり、新聞の記事からヒントを得たり、
もっと手っ取り早いのは
自分が信用している株の先生の意見を受け入れて株を買います。
すんなり値上がりして思わぬ幸運に恵まれることもありますが、
仮りに十に一つそういうことがあったとしても、
大抵はそこに至るまでのプロセスで、
海千山千越えるような目にあわされます。
その間中、ジッと我慢の子を貫かなければならないので、
私は「株の儲けは我慢料」と言ったのです。

もしどんな株を見つけたらいいかに
かかるエネルギーが20%だとしたら、
じっとこらえるために使うエネルギーは
80%ぐらいではないでしょうか。
私のように人に教えられて見つけるのではなくて、
自分で推理をきかせて探がし出す人でも、
また比較的高い確立でそういう様にめぐりあえる人でも、
「我慢料は80%」と私は見ているのですから、
まだ土俵に上がり立ての人なら、
並大抵の努力ではこうした試練には耐えられないのです。

でもそうした努力をしないで、
今日買った株が明日にも値上がりすることを期待して、
ちょっとでもその逆のことが起ったら、
あわてて投げ売りをする人は、
どんなに知恵を働かせても、株で儲けることはできません。
儲けるどころか、他所で汗水垂らして稼いできたお金を
証券取引所のどぶの中に投げ捨てるような目にあわされます。

私がいくらそんなことを言っても、それを改める人が少いので、
そうした人たちが投げ捨てるお金を多分、
その10分の1くらいの人が拾うことになるのです。
その仲介をする証券会社は行司みたいなものですから、
勝負に負けることはありませんが、
賞金を束にしてもらうこともありません。
さて、あなたはどちらに賭けますか。


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2011年3月11日(金)

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