中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4024回
中国の対策と対ロ関係をよく研究して下さい

日本人にはあまり理解のできないことですが、
中国人はアメリカ人と会う時は少しばかり緊張します。
どうしてかというと、近代化のプロセスでアメリカ人は
自分たちに比べて先輩格だと思っているからです。

胡錦濤主席がオバマ大統領に会いに行く時だって
新聞の報道の仕方が違うし、落度がないように、
また相手のプライドを傷つけないように細心の注意が払われます。
ですから何かにつけて中国はアメリカに対抗意識を持ち、
敵対意識を持っていると思ったら、
米中関係を見誤ることになります。
中国人は政府も含めて
アメリカとは本当は気の合う関係にあるのです。

ですからアメリカが航空母艦を黄海まで派遣してデモっても、
中国はジッと見守っているだけで、
日本に対して強硬な態度をとるのとは一線を画しています。
それに比してロシアに対しては、
日本に対してとさして変わらない、
あるいは、日本に対する以上に冷たい対応をしているのです。

同じ共産主義国で、毛沢東時代にはかつて
ソ連から援助の手をさしのべてもらったこともありますが、
気質的に中国人はロシア人と呼吸が合わないのです。
ですから毛沢東でさえ両国の関係を一刀両断にしたくらいですから、
日本人としても中ロ関係を見誤らない必要があります。

投資考察団を連れてモスクワまで行った時、
往復に中国の飛行機を利用したことがありますが、
入国査証もさんざ待たされた上に、
荷物の検査も1人1人立たされてさんざ嫌がらせをされました。
新聞を見ると、中国とロシアは仲がよいように書かれてありますが、
実際は世評と全く逆になっているのです。

これは政府と政府の関係から来ているものですが、
もっと根底には中国人気質とロシア人気質の鍔ぜり合いに
端を発していると考えるべきではないでしょうか。
中ロ関係の本当の姿を見誤らないように、
皆さんもよく国際関係の勉強をして下さい。


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2011年3月17日(木)

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