中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4031回
新興国がもたらす新しい資源ブーム

先進国の経済成長が一通り頭を打って、
次は新興国の経済成長ということになると、
新興国はいずれも莫大な人口を抱えていますから、
そのために消耗される資源だって大へんなことになります。
当然、食糧からはじまって工業製品に使われる資源だって
ちょっとやそっとでは間に合わなくなりますから、
先の先を考えたら、資源が注目を浴びることになります。

米や小麦や大豆やとうもろこしのような食糧は
つくれば手に入るものですが、
天然資源は地球上にあるものを開発する必要があります。
鉄もアルミも石炭も石油も天然ガスも、
もっとも需要の多い資源ですが、
産量も多いし、代替品もありますから、
価格は大きく変動しても、
供給が途絶えることはあまり考えられません。

それに比して、銅からはじまって稀土に至るまでの
有色金属や稀少金属になると、
これからますますその稀少性が産業界をおびやかすことになるし、
その生産国がちょっと方針を変えただけで、
世界中の産業界が大きな影響を受けます。

ですから、気の早い私は
ずっと前から稀土や稀金属に注目していましたが、
これらの稀少資源は好況不況に左右されて業績が思わしくなくなり、
株価が半値以下に低迷したこともありました。
しかし、新興国の成長がはじまると、情勢は一変します。
とりわけ中国の国民総生産が日本を追い越して世界第二位になり、
更に一人当りの所得が日本に追いつく方向に動くと、
鉄やアルミや石炭、石油、天然ガスを除く天然資源は
そう簡単に不況によるピンチにおちいることがなくなります。
前に挙げた江西銅業、中国金属再生資源のほか、
新疆新鑫鉱業、洛陽モリブデン、湖南有色金属、悦達砿業など
検討に値いする企業がいくつもあります。
但し、いずれも国営から衣替えして上場しているので、
役員の任命権を握る政府の方ばかり向いて
株主を全く無視した企業もありますので、ご注意。


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2011年3月24日(木)

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