中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4082回
金持ちになったことのない人の考える事

話が前後しますが、私が永保林業という
アマゾンの畔で森林の伐採をしている会社をとりあげたら、
その中身もよく調べもせずに、また私の説明もきかないで、
いきなり頭から
「永保林業、アマゾンの森林を伐採してボロ儲けしている企業、
先生、今回だけは無理です。
もうアマゾンの森林は破壊するのでは無く
守っていく全人類の宝です」とか、
「アマゾンの森林は保護すべきもの、全人類の宝、
まったく同感です」とか、
「確かにね、今回の永保林業は、
おれも生理的に好きになれない。
中国人の”やったもん勝ち”的な発想で
森林伐採する映像が目に浮ぶ」
と反射的な反応を示す人がたくさんいたのには
思わず笑い出してしまいました。

貧乏しか経験したことのない人はちょっとお金を使ったら、
財布の中はすぐにも空っぽになると思ってしまうのですね。
でも大きな財布に入っているお金は
なかなかなくならないものです。
確か「お金持ちのお金はなぜなかなかなくならないか
という本がありましたね。
あれでも読んで見て下さい。
金持ちは持っているお金をちゃんとうまく働かせるので、
少々くらいお金を使っても、
貧乏人が考えるようにそう簡単には減らないのです。

それと同じように、木は毎年、成長して大きくなるものですから、
黙っていても成長するし、
むしろ逆にうまく手入れをしないと大きくならないのです。
日本のようにちゃんと手入れをしないと
森林そのものが邪魔物になってしまうのと違って、
永保林業ほどのスケールになると、
1%伐採している間に材木は2%ふえるし、
不況で伐採は進まない時でも、
木が成長して財産価値がふえるのです。

ですからちゃんと管理ができるかどうかが問題で、
貧乏人の根性で金持ちの財布の中を覗くのは
ピントはずれと言ってよいのではないでしょうか。
石炭や銅なら掘って使ってしまえばその分だけ減ってしまいますが、
同じ資源でも、材木と水はうまく利用すれば
新しい富をもたらしてくれると考えていいのではないでしょうか。


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2011年5月14日(土)

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