中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4094回
そろそろ過剰流動性修正の準備を

ここのところずっと私は
スーパー・インフレ(悪性インフレでなくて)を頭に描いて
中国の未来図を予想してきたので、
中国経済の想像以上の成長が続いても、
早とちりの人たちが中国のバブルに警戒警報を発しても
「いや、まだまだ」とブレーキをかけてきました。

しかし、貿易黒字と外貨準備の異状な積上げが続いても、
人民銀行が頑なに平価切上げを拒み続けると、
誰の目から見ても、人民元の過剰流動性が
不動産の値上がりと物価を押し上げはじめますから、
さすがの私も昨年度の終わり頃から
「すぐではないけれど」とお断わりをした上で
警戒予報を2、3発打ち上げるようになってしまいました。

今年に入ってから今までに金利の引上げと
預金準備率の引上げが続いていますが、
何の効き目もないことは皆さんもお感じになっていると思います。
度重なるアメリカの要求に対して
「それは内政干渉だ」と中国側は受けつけていませんが、
さすがに最近は同調する発言も時々、見られるようになりました。
でも1日遅らせれば遅れただけ過剰流動性は激化するので、
スーパー・インフレが悪性インフレになるよりも、
バブルがはじける症状に近づいたように感じられます。

それがいつになるかは経済のプロにもわかりません。
政府も人民銀行も神経を尖らせて見守っているので、
多分、ことしではありません。
応急手当の準備もしていますから、来年でもないような気もします。
すると2013年か。
「来年のことを言うと鬼が笑う」と言いますから、
再来年のことは来年になってから対策を打っても
何とか間に合います。
しかし、その通りだとしても、
株式投資の基本方針に
かなりの修正をしなければならないのではないでしょうか。
お金の流れが大きく変わるからです。
自動車ブームはかなりおさまる方向に動きはじめました。
不動産はどうなるのでしょうか。
そして、人民元は?


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2011年5月26日(木)

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