中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4095回
あんまり借金をするな、借金の整理を

日本でバブルがはじけた時も、
私たちの生活が直ちに大きく影響を受けたわけではありません。
それどころか、土地神話は
1億の頭の中に根強く根を下ろしていましたから、
日銀が不動産に対する融資を一切ストップしても、
「なあに、そのうちにまた方針が変わるさ」
と全く意に介しない人が圧倒的でした。
またそれだからこそ土地を売る人もなかったし、
経済界がピンチにおちいって奈落の底をさ迷い、
元に戻るのに16年もかかってしまったのです。

何しろ地価が目茶苦茶に大暴騰したので、
庶民がマンションを手に入れるのだって
容易でなくなってしまいました。
でも土地が値上がりして損をするのは
早くに土地を手離した人たちだけで、
損をする人よりもトクをする人の方がズーッと多かったのです。
貧乏人だってマンションの値上がりする時は
とびつき買いをしますが、
一旦、マンションが値下がりをはじめると、
どんなに値引きしても鼻もひっかけなかったのを見てもわかります。

ですから政府の方針も
不動産の値上がりにブレーキをかけるだけでよい、
あまりやりすぎると経済界全体が大打撃を蒙りますよと
私はジャーナリズムでも声を大にしてくりかえしましたが、
日銀総裁も政治家もきく耳を全く持ちませんでした。
私自身はマンションが坪200万円になった時で買うのを辞め、
億ションには一切手を出しませんでしたし、
銀行が私のところにやって来て、
「邱センセイなら500億円貸します」と誘ってくれましたが、
借りたお金で投資した利益で
金利と元本の返済のできる自信がなかったので、
鄭重にお断わりさせていただきました。

さもなければ、今頃、こんな原稿も
書いておられる立場にあるわけもありません。
バブルがはじけて一番ひどい目にあわされたのは
借金をして不動産投資を盛大にやった人で、
その次がバブルの崩壊によって事業が傾き、
借金が返せなくなって倒産した人です。
そうした貸金を回収できなかったために
お金を貸した銀行までバタバタと倒産したのですから。


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2011年5月27日(金)

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