中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4097回
不動産買うなら先ずマイホームから

不動産のことを西洋人も
リアル・エステート(本当の財産)と呼んでいます。
日本でも中国でも、土地と建物を「不動産」と呼びますが、
こわい顔をして皆さんを睨みつけているのも
「不動さん」と呼ばれています。

財産は色々なものから成り立っていますが、
その中で一番重要な位置を占めているのは不動産です。
昨今はどこの国でも紙幣をたくさん刷って
それが物を買うのに使われていますから、
紙幣の形でたくさん持っている人が金持ちに数えられていますが、
米ドルでそれを一番たくさん持っている人でも、
ドルの次くらいにたくさん持っているのは多分、不動産でしょう。

ですから金持ちになるということは、
いつの時代でも
たくさん不動産を持っている人ということになります。
たとえば学校を卒業して就職をしたばかりの人でも
収入があるようになってお金が貯められるようになったら、
真っ先に考えることは自分の家を持つことです。
私だって無一文に近い状態で香港に亡命して、
自分でお金を儲ける道を見出して
何とか自活できるようになった時に、
真先に考えたことは自分の住むマンションを手に入れることでした。

まだ27才の時でしたから、その次はマイカーでしたが、
生活の安定を考えると、事業はいつどこで躓くかわかりませんから、
毎月ちゃんと家賃収入の入る不動産を手に入れることが
他に優先します。
でもそれをやるにしては、知識もなかったし、
経験もありませんでしたから、
後になって考えるとずいぶんへまなことをくりかえしています。

たとえば、私は時間があると読書をしていますから、
大通りに面して人通りの多い喧騒な所より
通りからちょっと奥まった静かなロケーションを好みます。
表通りも奥まった所と同じ値段だったのに、
10年たつと表通りに面した家は
私が選んだ素敵な邸の10倍にも値上がりしたのです。
財産価値を狙うなら自分の好みを優先させてはいけないのです。


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2011年5月29日(日)

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