中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4110回
所得を発生させなければ所得税はかからない

税金の勉強をはじめた頃、
先ず日本の税金の高いことと、
累進税率のきびしいことに先ずびっくりしました。
何しろ最高税率は75%で、
相続税の最高税率は70%ですから、
お金持になるのも大変なら、
親が死ぬとごっそり税金で持って行かれますから、
たちまち貧乏して息子が後を継げるわけがありません。

たとえば大金持ちの人は
大半の資産に70%の税率で課税されますから、
俗に三代で全財産の大半が税金に持って行かれます。
一代が終われば100が30になり、
二代で30が9になり、
三代で9が2.7になってしまうのです。
もしその通りなら、日本には金持ちがいなくなっている筈なのに、
実際には金持ちの家では子供が親の後を継ぎ、
家によっては息子の時代の方が親父の時代より
羽振りをきかせています。
その秘密はどこにあるのかということが
先ず私の好奇心をひきました。

たまたま私は東急の五島昇さんや西武の堤清二さんとは親交もあり、
大抵のことは質問できますが、
まさかどうやって税金を免れているのですかと
きくわけには行きません。
そこで税法を色んな角度から攻めて見ると、
借金と不動産の組み合わせに色んな仕掛けと盲点があって、
やり方によっては莫大な財産でも
税務署で全く課税の対象にならないことがおぼろ気ながら、
理解できるようになりました。

一口で言えば、
所得を発生させずに財産をつくる方法を身につければいいのです。
簡単に言えば、一回はお金を出して不動産を手に入れれば、
それが10倍に、更に100倍に値上がりしようとも、
所得を発生させなければ税金はかかってきません。
たとえば土地の上に建物を建てて貸せば、
家賃収入には減価償却をさしひいた残りには
所得税がかかってきますが、
不動産が100倍に値上がりしようとも所得が発生して来ないから
所得税も発生しません。
わかりきったことですが、
「これだ」と私は思わず膝を叩きました。


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2011年6月11日(土)

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