中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4120回
なぜ不動産株に軍配をあげるのか

中国における不動産の値上がりを見て、
中国に住んでいる日本人や
中国投資に関心のある日本人はすぐにも
「中国のマンション投資はどうだろうか」と心をひかれます。

20年前に比べると、いまは5倍にも10倍にもなったのですから、
ロケ―ションのいい所にあって、
管理のいいマンションにうまく当った人は
それなりの値上がり益に浴していると思います。
でもそういう人は10人に1人もいません。
中国のマンションは建築にまず手抜きが多いし、
うまく売り抜けると業者は管理業者に任せてしまいます。
またそこに住んでいる人たちは
自分のマンションの扉から中は自分らなりに手入れをしますが、
玄関から廊下など公共使用の場所には全く気をつけません。
ですから10年もたつと、日本の3倍以上も古くなって、
中古マンションの値段は下がってしまうのです。

その上、テナントはわがままですから、
きちんと家賃を払ってくれたら儲け物で、
流がしが詰っても、スイッチが壊れても
いちいち電話をかけてきます。
家主がすぐ近所に住んでいれば対応の仕方もあるでしょうが、
日本まで電話をかけて来られたのではこちらがたまりません。

ですから私はどうしても不動産関連の投資をしたかったら、
私はマンションを買うよりは
中国の超一流不動産株をジッと観察して、
1年のうちに半分くらいまで下がることがありますから、
その時を狙って手に入れ、
ジッと我慢して持ち続けたらどうですかとアドバイスしてきました。
不動産株なら処分したくなったらすぐにも換金できますが、
古くなってボロボロになったマンションを売るとなると、
これまた一騒動になります。

以上が私の中国の不動産に対する大雑把な感想ですが、
じゃどうしてあちこちに不動産を持っているのですかと
ききかえされます。
私にとって不動産は積極的な投資の対象ではなくて
色んなことを試みて、最後に残された残り物なのです。


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2011年6月21日(火)

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