中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4122回
「ロードサイドのハイエナ」のご一読を

日本でも街道を走っていて一番目立つのは
ファミリー・レストランの看板です。
マイカーが普及したこととも、
もちろん、関係がありますが、
私は成長経済に突入した頃からの日本を見ていますから、
スカイ・ラークができた頃から
吉野家やサイゼリヤのチェーンがつながって行き、
やがてレストラン・チェーンの
栄枯盛衰の歴史が展開されて行くのが脳裏に残っています。

戦国時代の世の移り変わりもさることながら、
店がひらかれてよく流行っているなと思うのは束の間で、
すぐに店を閉めたり代がわりをするのは
レストランの宿命ではないでしょうか。
私はよく「レストランは何のためにひらくか知っているかい?」
とうちのスタッフにききますが、
最後に「閉めるためにひらいているのだよ」とオチを言うと、
「じゃなぜ僕たちにレストランをひらけと言うのですか」
と食いつかれます。
実は片時の油断もできない経営を持続するのが難しいのが
レストラン業なのです。

そうした片っ端から店じまいをする
レストランを安値でひき受けて、
あッという間に日本一のステーキチェーンを目指している
34才の青年井戸実くんの書いた
ロードサイドのハイエナ流コスト1/5のムダ0(ゼロ)経営術
(ワニブック新書760円+税)を読みました。
ご本人に既成の店を譲り、
そのきっかけをつくったハナマサの小野博さんに話をきいて
すぐ手にとったのです。

私がいつも言っていることですが、
「新しい事業は既存の産業界のスキマを狙え」
という成功への高速道路に突っ込み、
いまフル・スピードで走っているのがこの人です。
恐らく眞っしぐらに突っ走って
短期間に多店化に成功するでしょう。
しかし、かってトップを走っていた
チェーン・レストランがその使命を終わったように、
太陽はいつまでも頭の上にあるものではありません。
そこまで深く問い詰めなくとも着眼点が
新しく仕事を目指す方の役に立つと思いますので、
興味のある方はぜひご一読を。
なお本のタイトルが長すぎるので、
メモをしてから本屋に行って下さい。


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2011年6月23日(木)

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