中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4123回
不動産・株・現金それぞれに一長一短

不動産の話を長々と続けてきましたが、
不動産の強みは不動産自身の中にあるというよりは、
物価の基準になる通貨と対比して評価すべきものです。
不動産自体は不動産の有限性と
不動産に向う資金の強弱によって
大きく左右されますが、通貨が紙っぺらになり、
しかも政府の都合に大きく左右されるようになると、
1年や2年ではさして目立ちませんが、
10年もたって見ると大幅に値下がりした不動産でも、
いつの間にかジリジリと値上がりしています。

東京のマンションの値段を見たらわかります。
私がマンションは不動産投資の対象として
問題が多すぎると言いましたが、
それでもバブルがはじけた当時に比べると、
かなり値上がりしています。
赤坂とか六本木に新築中のマンションの値段をきいて見ると、
1億円以上はザラで、
2億円、3億円と値のついているものもあります。

ですから不動産の評価をする場合も、
株価を見るような目で見るのは間違いで
今買って10年後はどうなるかといった長期投資の目が必要です。
現に私の住んでいる家だってバブルの頃は40億円と評価されて
銀行から28億円の融資を受けたことが何回かありますが、
バブルがはじけると、5億円と評価されて
3億5000万円なら貸してあげましょうと
念を押されたことがあります。
それが今は共同ビルの中のマンションでさえ
2億円も3億円もするのですから、
まさか5億円ということはないでしょう。

となると、毎日売ったり買ったり、
すぐにもお金に替わる株と同日に
不動産を談ずるわけには行かないと考えるべきでしょう。
売却して現金に換えるのも容易でないし、
その分、課税の対象にもなりますから、
国が財政困難におちいって財産課税をやるとなれば
逃げ道は先ずないと覚悟しなければならないでしょう。
現金も有価証券も不動産もそれぞれに一長一短あって、
それぞれの長所短所を頭に入れて財産形成をする必要があるのです。


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2011年6月24日(金)

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