中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4126回
永保林業はお妾さんの経営ではありません

たとえば、私がこの欄で永保林業という
アマゾンの河畔とシベリアで、
木材の開発をしている企業の紹介をしたことがあります。
すると、忽ち大騒ぎになって大自然の破壊に
私がくみするとは何ごとだと食ってかかる声が続きました。
私の説明にきく耳を持たず、
私がお金儲けのために、
大自然の破壊に組していると思い込んでいるのです。

石油も石炭も銅も鉄鉱石もまた稀土も天然資源です。
これらの天然資源は1度掘ると元へは戻りません。
材木も天然資源ですが、
材木は管理をよくすれば、また元に戻りますし、
成長して量がふえます。
当然乱伐もありますし、元に戻すのに何十年もかかる事業ですから
それを売物にした上場会社が中国にもう1、2社ありますが、
私が心を動かしたことは1度もありません。

でも材木は私たちの生活に欠くことのできない資源の1つです。
日本の場合は森林の管理が思わしくなく、
気がついたら材木は輸入産業の1つになってしまいました。
それに比べて中国の材木産業は広東省周辺に集中していて、
台湾の企業もその仲間に入っているので
私も何回か見学に行っています。
永保林業の場合はブラジルの電力会社に頼まれて
発電所の開発のために
森林の伐採をしたのがきっかけで林業に首を突っ込み、
かなり業績をあげたので、
それを本業にすべく、不振の上場企業を買収して
換骨奪胎して資金の調達をしたのです。

たまたまその増資に応じたのが
香港でもケチでしっかり者の「新世界」の関係会社で、
しかも増資価格が一株50銭なのに
株価がその下を低迷していたので、
もしかしてと思って内容を調べたのです。
そうしたら、私の予想をこえて健在な動きだったので、
これなら大丈夫だろうと思ってとりあげたのです。
その時、お会いしたのが女性の董事長さんで
なかなかの美人だったので、
「美人のトップです」と書いたら、
反射的に「誰かのお妾さんだろう」ときめつける人が
次々と現われて私まで滅多斬りにされました。
ご本人は基金を扱う金融会社の出身で、
いまその片腕をやっているのもまた女性ですが、
日本の男はどうして女性をバカにするのでしょうかね。


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2011年6月27日(月)

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