中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4125回
中国では国内消費の拡大が輸出減をカバー

中国の経済成長は輸出産業を主役にして拡大してきましたが、
同じ動きが続くと国内が資産インフレを起した上に、
生活物資のインフレにまで及びます。
それを抑えるために政府は必死になっていますが、
人手不足が顕在化してコスト・インフレを起してもいますし、
先進国の不況もあって、
貿易黒字もこれまでのような勢いはなくなることが予想されます。

日本の場合はそうなるとたちまちピンチにおち入りましたが、
中国の場合は国内市場がまだ未開発の状態にありますし、
輸出からはじまった人手不足が賃上げを刺激して
所得水準を押し上げる方向にあるので、
国内市場の需要が景気を支えることが考えられます。
給料がふえる方向にあることと、
貧国から中産への変化が新しい消費を刺激するので、
昨今は中国のどこを歩いても、物はよく売れていて、
店じまいの光景はほとんど見られません。

ですからバブルのことを口にしても
本気にしてくれる人はほとんどおりません。
仮りに不動産の分野にバブルがはじけたとしても、
消費の増大が中国経済を支えるので、政府の金融抑制策があっても、
景気はそんなに落ち込むことにはならないと見てよいでしょう。
従って国内消費経済の動きによって
産業界がどういう動きになるかを頭に入れて、
株式市場の未来を予想したらどうでしょうか。

ここのところ、私は中国経済が発展したら、
何が不足するかを中心にして銘柄選びをしてきました。
私が取り上げたのは食糧と水と天然資源ですが、
輸出がピンチになっても、
産業界が景気不景気に大きく左右されても、
資源不足の動きに大きな変化はありません。
もしそうだとしたら、
株価が下がったのは大損をしたことではなくて、
ナンピンをかけるチャンスだということになります。
そうは言ってもナンピンをかける資金は
どこから捻出したらいいのかということになりますが・・・。


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2011年6月26日(日)

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