中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4143回
享泰の大規模農場を見学して

さて、次の訪問先は香港に上場している食品輸入企業
享泰が経営している大規模農場です。
この会社は泰国の野菜を冷蔵して中国まで運んで
大型スーパーに卸していますが、
わざわざ輸入するより国内で生産する方が有利だということに気づいて
江西省で1つ目の大規模農場の開発に着手、
それが業績に寄与するようになったので、山東省と広東省に手を拡げ、
3つ合わせて5万畝(1000万坪)ほどの、
上場会社としては3つ目の大型農場を持つようになりました。

私は高度成長がすすめば、中国も日本や台湾と同じように
食糧を大量の輸入に頼らなければならなくなる。
7000万人分の食糧ならお金さえあれば輸入ができるが、
7億人分の食糧はどこにもないから、この10年に中国は
食糧の自給に必らず手をつけざるを得なくなると考えて、
その一環として享泰の手の打ち方に注目を促したのは
皆さんもご承知の通りです。

1つ目の江西省の農場は前にも見学に行きましたので、
今回はどこにしましょうかと電話をかけたら、
董事長さんが当日は本当は台湾の支店の
オープニング・セレモニーに出席する予定でしたが、
先生がおいでになるのなら台湾行きをとりやめて私が案内しますと
心よく応じてくれました。
2つ目は広東省の恵東というところにあって、
深圳に1泊してから董事長さんに案内していただいたことは、
少し前にもご報告した通りです。

私が一番ききたかったことは、
野菜の原価は本当に売値の3分の1でできるかどうかということでした。
現地で農場の責任者にしつこく食いさがってきいたところ
確かにその通り間違いありませんでした。
ならば農場が完全に軌道に乗るまでに多少時間がかかっても、
ガマンの仕甲斐があります。
現に中国全体がことしも旱魃に見舞われていますが、
もともと「株の儲けはガマン料」ですから、
何とかガマンできる人が最終的にはいい思いができるのではないでしょうか。
とりあえず目先はガマンガマンということになります。


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2011年7月14日(木)

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