中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4152回
今の中国人は輸入文化で消化不良

今度、1ヶ月かけて中国じゅうあちらこちらとびまわって見て、
一番目立ったのはどこの地方都市に行っても、
30階建の高層マンションが林立していることと、
道という道が自動車で一杯になって交通が渋滞していることでした。
どこに行っても皆、同じで、よくよく看板を見なければ、
ここがどこだか区別のつかないほど同じ風景が続いているのです。

改めて中国人が個性や独創性のない国民で、
中国人はよその国にある文物を持ち込んで来て
自分の物にするコピー文化の持主であることを痛感しました。
私は中国とは世界の最も中心に位置した唯我独尊の国ではなくて、
ちょうど東西南北のド真ん中に位置しているので、
実は諸国の文化を集めてその交流をする
卸売りセンターになったのだと見ていますが、
改めてその事実を確認させられました。

かつて世界文化の卸売りセンターだった中国が
ヨーロッパの台頭と帝国主義によって侵略され、
租界までつくられる屈辱の歴史を味わいましたが、
一転して世界の先端を行く勢いをとりもどすと、
昔からの個性にまた火がついて、またもや
「世界文化の卸売りセンター」が復活しようとしているのです。

私はそれを「大陸の香港化」という言い方で表現したのですが、
それが全国的規模で起って見ると
全く個性のない都市が全国に出現してしまいました。
中でも一番目立っているのは不動産ブームによって荒稼ぎをした
成金たちのつくったホテルとショッピング・センターですが、
いずれもアメリカにあるものをそのままコピーしただけのもので、
中国人の財布の中身とうまく調和がとれていませんし、
このまま中国で生き残れる物でないことは
誰が見てもはっきりしています。

もっと中国人の生活とうまく調和のとれた新しい修正が
これからの10年で必らず起ります。
その点、西洋文明の受け入れ方では
日本の方が少しばかり先輩です。
その分だけ、チャンスがあるのではないかと思っているところです。


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2011年7月23日(土)

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