中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4151回
大規模農場の経営者になりそこなった私

これから10年の中国が食を中心とした経済構造に傾くのなら、
私たちはどんな商売を選べばいいのでしょうか。
また株を選ぶなら、どんな銘柄に投資したらいいのでしょうか。

少し前までは「会社の寿命は30年」と言われていましたが、
最近の傾向では会社の寿命が30年続いたとしても、
会社を支える人気食品の寿命がはたして10年もつかどうか、
社長の寿命に至ってはもっともっとずっと短いのではないか。
ですから新規に事業をスタートする人は
3年たっても物にならないようなら、
店を畳む覚悟が必要なのではないでしょうか。

そういう目で、食品業界の流れを見ると、
先ず農業があって、その流通と加工が続きます。
そして、人々の口に入れるまでに
レストランと市場というサービス業もあります。
それらの分野の中でどれを選ぶかは、人によって考え方も違うし、
好き嫌いもあるし、そうしたかかわりを持つきっかけも違います。
ですから自分の一存で決められるものではありませんが、
もし自由に選べるとしたら、あなたはどの分野を選びますか。

最近はサラリーマンを辞めて
一家で帰農する人もよく見られるようになりました。
またそういう人の書いた本や自分で市場に店を持った記録も
時々、読ませてもらっています。
しかし、本で読むのと自分で思い切って帰農するのとでは
全く違う世界ですから、本気でやれるかということになると、
思わず立ちすくんでしまいます。
私の場合は実際に200万坪の上に大型農場をつくるべく
地方政府とサインまでしたことがありますが、
私が5年計画を提案したところ、
1年でしあげろと要求されて断念してしまいました。

天候不順のことや従業員不足のことを考えたら、
自分で社長をやるより大株主にまわった方が
生命を縮めないですみそうです。
同じ食品畑でもほかに食品加工の仕事も無数にあるし、
今までになかったような新しいスーパーのチェーンなど
新しいビジネスのチャンスはいくらでもあるんじゃないでしょうか。


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2011年7月22日(金)

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