中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4153回
外国で人気のある商品を人より安く

いま中国は世界中の商品を集めた
「卸売りセンター」の役割をはたすために、
世界中の有名メーカーを中国に呼び入れて工場をつくり、
「世界の工場」と世界中の人たちから認められるだけの
レベルに達しました。
次はオリジナルの商品を開発するか、
それとも全く別の消費市場を開拓するのか、
2つに1つの選択を迫られています。

人のコピーをするプロセスでは、中国人はとても元気一杯でした。
イギリスやフランスやイタリアの
有名ブランドのコピーをする段階では
新しい知恵と技術を身につけるわけですから、
当人たちも元気一杯だったし、
つくられた製品にも格段の進歩がありました。
温州の縫製業者や皮革業者は
ヨーロッパの有名ブランドの下請けとして技術を学び、
たちまち相手から認められるだけの技術を身につけました。

中国で一番元気のよかったのはそうした下請けの業界で、
横流しとコピーの製品が街に溢れ、
それを目指して欧米や日本のお客が
上海や北京の商店街に溢れました。
しかし、横流しや模造品と、
オリジナルのレベルがさして違わないようになると、
どちらも魅力を失ってしまったのです。

と言っても、もともと商品の卸売りセンターで、
オリジナル商品の発売元ではありませんから、
自分たちのオリジナルがなかなか出て来ないのです。
ちょうど中国人の財布の中身も以前よりはかなり改善されたので、
突如として世界の有名ブランドが新しくできた
ショッピング・センターを埋めつくすようになりました。
が、有名ブランドの要求する値段と
一般中国人の財布の中身との間にはかなりひらきがありますので、
そのスキマを埋める可能性はありません。

では何がこのスキマを埋めるのでしょうか。
私はそれは中国のオリジナル商品ではなくて、
これまで中国人が馴染んでいない
外国人に人気のある舶来の日用品ではないかと睨んでいます。
いま中国人に最も人気のある商品は
そうした外国で人気のある舶来品を
人より少しでも安く手に入れるチャンスがあることです。


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2011年7月24日(日)

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