中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4154回
大型スーパーこそ中国の伝統文化です

中国の地方都市の新しい町づくりを見ていて、
中国人の財布の中身と一番アンバランスなのは
世界の一流ブランドの店を無理矢理詰め込んだ
アメリカン・スタイルのショッピング・センターと、
北京や上海の一流ホテルに負けない
超豪華ホテルではないでしょうか。

中国人はホテルを建てるのが大好きです。
少しふところに余裕ができると、
どんな商売をやっている人でもすぐホテルを建てたがります。
どこの町に行っても
商店街に一番たくさん並んでいるのが銀行の支店で、
その次がホテルです。ホテルは私に言わせると、
最も難しいビジネスの1つですが、
金持ちになったシンボルですから、
どこの町にもホテルが林立します。
経営が難しいので、
別会社を組織して独自にスタートしたホテルでも
忽ち音を上げてしまいますが、
超一流の設備の整ったホテルなら、
アメリカやヨーロッパや香港のホテルに
経営を委託することができます。

そういうホテルは経営する側の要求を入れて
サービス料金で客を入れることができるので、
しばらくは半数とか、3分の1の料金で
サービスを続けることができますが、
そのうちに家主の方がくたびれて
処置に困る時が来ることは目に見えています。
アメリカン・スタイルのショッピング・センターに至っては
看板にするために世界の有名ブランドに
3年無家賃で店をひらいてもらえますが、
3年はすぐにたってしまいます。

それからどうするかが地方都市の開発で
思わぬお金を儲けた不動産成金たちの次の頭痛のタネです。
そのことに間違いはありませんが、
町づくりのすべてが間違いだったわけではありません。
どこの都市に行っても、カルフールやウォールマートのような
欧米の大型スーパーを核にした商業センターがつくられて、
そこへ休みでない日も多くの市民が集まっています。
大型スーパーこそは舶来品の卸売りセンターですから
中国の伝統にふさわしい中国文化の結晶だと私は納得しています。


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2011年7月25日(月)

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