中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4163回
私だって考え方が変わります

中国消防の業績が思ったほど上がらないのは、
消防車の生産に問題があるよりは、
政府の予算に大きく左右されるからです。
リーマン・ショックの影響もあれば、人民元の動きもあります。
国家予算の花園でも不要不急の分野にまわされたら、
予算がたちまちカットされることは目に見えています。

消防設備の予算が先送りになったのは、
一口で言えば、国全体がさして火事に見舞われなかったからです。
私の知っている限りでも、
旧正月前の北京で完成間近かのホテルが大火事になっただけで、
続けて2回か、3回同じことが起れば、
政府の対応も一変したでしょうが、
その後、上海でもう1回火事のあった時は、
全国に通達があって、消防に抜かりがないか、
町中見てまわれという命令でした。

消防設備を一新する話でなくて、
人民の消防設備を調べろという命令になると、
消防署員は大喜びです。
人民に消防器具の販売を押しつける絶好のチャンスだからです。
さすがの私も、自分の早とちりに
気づかないわけには行かなくなって、
消防産業に見切りをつけるよりほかなくなりました。
ここでも私はかなり損を出したと思いますが
いくらで買っていくらで売ったかということまで
記録に残していないので、さして気にしていません。

ところが、相場をとろうともくろむ人の中には、
3年たっても5年たっても、
私がとりあげた銘柄をまだ覚えていて、
私がいつまでも同じ考え方をしていると信じ込んでいる人もあれば、
私だけうまく逃げたと私を恨む人もあります。
世の中がどんどん変わって行くのに、
私がいつまでも同じ事を考えていると思う人は
私を死んだ人と思っているのでしょうか。
私だって環境が変われば、自分の考え方を変えます。
ですから私の考え方がどう変わるかに注目するか、
いっそのこと自分の考え方で
世の移り変わりをごらんになったらいかがでしょうか。
後者の方が私のおすすめですが・・・。


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2011年8月3日(水)

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