中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4169回
株主に尻を向けた株はやめときましょう

中国株をやっていると誰でもすぐ気がつくことは、
企業によって株主に対する配当に全く無関心な会社と
その反対の会社があることです。
一般に国営からスタートした企業は
今も国が大株主であることが多く、
董事長・総経理をはじめ、役員の任命権が政府にあるので、
役員全体が政府の方を向いて、株主の方を向いていません。

そういう体質の企業は
大株主が政府のどの部分に所属しているかにもよりますが、
配当よりも人間関係に重点をおく場合は、
どんなに利益があがっていても、無配を継続しています。
というよりも「事なかれ」に重点をおいていますから、
企業の業績をあげるよりも咎め立てを受けない経営に終始します。
そういう会社であるかどうかは
過去の業績を調べるとわかりますから、
儲けても無配を続ける会社は敬遠するに限ります。
そういう企業は将来といえども
株価が高くなる見込みがないからです。

そういう企業は国営に属する企業に多いのは当然ですが、
国営出身の上場企業が全部そうだということではありません。
そういう疑いの目で私も睨んで来ましたが、
国営企業出身の経営者の中にも、腕のいい人もあれば、
企業中心に物を見る人もあります。
ですから私の見る所、
国営からスタートした上場企業でも
10のうち2つくらいの比率ですぐれた企業があります。

それがどことどこだと言うことができないことはありませんが、
それでは私だけが授業料を払って、
皆さんはロハということになって不公平です。
時間をかけて、バカを見て、
だんだん身につける努力をして、
身となり血となって一人前になるのが人の世です。
ですから、とにかく企業の過去の業績を調べる場合、
儲かっているのにケチでロクに配当もしない企業には
とびつかないことです。
とりわけ中国では
そういう企業の体質が改善されるチャンスはありませんから、
経営陣の能力と人格についで
株を買うか買わないかの判断材料に
加えていいのではないでしょうか。


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2011年8月9日(火)

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