中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4174回
これが世の中の入れ変わる姿です

いまのように円高が続くと、
お金の流れが大きく変わってしまいます。
それに対応して物の動きも変わるし、
物をつくる企業も生き残りを図って動きます。
動き方を間違えなかった企業だけが生き残り、
その対応のできなかった企業は淘汰されます。

見ていると、時代の変化に敏感な企業は
素早く対応するので、何とか一命をとりとめるし、
場合によっては更に一段と飛躍しますが
反対に「これじゃとてもやって行けないぞ」と
首をかしげたくなる企業ほど危機感が乏しく、
対応が遅れて結局、姿を消すことになります。

これは何も円高だけが原因ではありません。
古来、栄枯盛衰は歴史の大きな流れであって、
封建時代にも帝制時代にも、
また資本主義が主流をなす時代になっても、
川の流れるように世の中は移り変わり、
不要になった物も人も姿を消して、
新しい人が新しい時代を築いて行くのです。

そうした目で見ると、
これはとても日本で生き残れないぞ、
中国か、ベトナムか、
でなければバングラディシュやインドにでも行かなくっちゃ、と
こちらが思わず焦ってしまう企業や人ほど悠然と構えていて、
逆にあれなら当分、大丈夫じゃないかとこちらが思う企業や人ほど
血眼になって次の対策に駈けまわっています。

なるほどこれが
世の中の入れ替わりなんだなということになりますが、
私が東京に帰ると毎日、通りかかる青山通りのお店だって
そんなにお客の姿をみかけませんから、
今に家賃が払えない店がふえることは避けられません。
そうなると、成長期の日本と違って、
一軒また一軒と店じまいがはじまって、
地方都市で起ったことが東京でも起るんじゃないかと
気をもむのは私だけでしょうか。

はたしてこれで日本の企業の救済ができるのでしょうか。
いや、実はこれが世の中の入れ変わる姿なんだという風景を
まざまざと見せつけられている毎日なんです。
あなたが月給を払う立場の人ならどうしますか。


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2011年8月14日(日)

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