中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4180回
ナンピンは3日目までです

この半世紀、ドルが世界の貨幣として通用して来たのですから、
ドルの具合が悪くなって発病すれば、
世界中の通貨や経済が大きな影響を蒙ることは避けられません。

株がそのあおりを食って大暴落をするのは当然のことで、
それによって大きな影響を受ける業種や企業も当然ありますが
相撲で言えば番付の入れ替えが起るだけですから、
しばらくすると落着きを取り戻します。
ですから大あわてにあわてて
持株の投げ売りをすることはありません。

私に言わせると、いま私たちを乗せた船は
サンフランシスコ(旧金山)を出発して
上海(新金山)に向うところです。
ハワイにさしかかった所で、
アメリカ船から追っかけてきた乱気流で
船が大揺れに揺れているところです。
しかし、船が沈没するわけではありません。
航海に慣れていない新入りは
真っ青になって船から乗り下りようとしますが、
その方が生命を失う危険があります。

いつもそうとは限りませんが、大暴落になると、
下げは3日間続きます。
でもそう長くは続きません。
暴風雨だって吹き続けなら向うの方が疲れてしまいます。
ですからナンピンをかけるなら3日目ということになります。
今回も私は3日目に10銘柄以上にナンピンをかけましたが、
もっと下げることも考慮に入れて
下値に入れた買いの方が多かったので、
大して狙った株は買えませんでした。

嵐がすぎると、静けさが戻ってきます。
すると大あわてにあわてたのが嘘のような好天気に戻り、
全財産を失うのではないかといった混乱が跡形もなく消えています。
この一文を書いている時はまだ大嵐がさったばかりの時ですが、
4日目になると株価は一せいに戻り足になったので、
折角用意した資金があまり役に立ちませんでした。

それでも香港の新聞はドルの値下がりによって
中国は3000億ドルの損失を蒙ったと書いています。
外貨準備が3兆ドルもあれば1割下げただけで、
そのくらいの損失になります。
日本もドルで勘定すると円高になった分だけ
金持ちになったということになります。
その分、輸出が困難になったことも事実です。


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2011年8月20日(土)

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