中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4196回
未練のある株は手元に残そう

私はこの歳になっても、3日に1度くらいの割合で
飛行機に乗ってあちこちとびまわっていますが、
4年あまり前にどうして内モンゴルに行ったかというと、
エルドスというカシミアの生産加工の会社があって、
将来、中国人が豊かになったら、
世界のカシミアの6割を含める内モンゴルは
きっとうけに入るだろう、
その中にあってエルドスの会社が
どういう成長をするかが気になっていたからです。

久しぶりに訪ねた4年前のエルドスの工場は
生産設備も一新して私をびっくりさせましたが、
内モンゴルは足で地面を叩けば
下は石炭だというほど資源の豊富な地域で、
エルドスの経営者はカシミアよりも地下資源に興味があって
石炭を使って火力発電を起し、
それを遠くまで送電するよりも、
その電力を使って
メタルの加工に夢中になっているときかされました。

そのためにカシミアで稼いだ資金が使われているときいて、
これじゃ業績にさしさわりがあるだろうと思いましたが、
株価が30セントと低迷していたので、
将来のことを考えて無理のない程度に仕入れをしました。
今回再訪するにあたって東京の事務所に申し込んだら、
10年がかりで開発した烏海の工業団地が軌道に乗ったので、
是非見ていただきたいと言われて、
ウランバートルから北京に戻って、
折り返えし内モンゴルまでとんだら、
もう真暗闇の夜中になっていました。

工業団地にはエルドスの会社が建てた立派なホテルがあって、
そこで百社に及ぶ小会社を持つようになった
エルドス・グループの説明を受けましたが、
株価を見ると少々値下がりして1.5ドルになっていましたから、
私が買った時の5倍にはなっています。
私は途中で元金の回収をしていますので、
只の株は1000万円もあるかなと計算機をはじいて見ると、
何と一桁は多いのです。

これが資源地帯で現実に私が出会った株式投資の動きです。
私が4年ぶりにもう1度、モンゴル、
内モンゴルに出かける気を起したのは、
いよいよその本番が近づいたと見ているからです。


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2011年9月5日(月)

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