中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4197
高い株ほどよく上がる実例です

4年前に私が内モンゴルに行って伊泰煤炭の会社を訪問した時、
伊泰コールはまだ小さな会社でした。
今回、エルドス市に入って
様相一変した町並みに先ず一驚しましたが、
伊泰コールの本社に辿りつくまでの伊泰グループの壮大さに
圧倒されっぱなしでした。

何しろ4年で株価が50倍近くまで上昇したのですから、
びっくりしない方がおかしいのですが、
前回来た時にどうしてそのことに気がつかずに、
少々値上がりしたら、「もういいや」と言って
すぐに株を売っ払ってしまったかというと、
内モンゴルから石炭を北京や上海の需要先まで届けるのに
運賃が売値の半分にも及び、
同社は石炭を掘ることよりも石炭を運ぶための鉄道に
投資を余儀なくされていると説明を受けたからです。
運賃の方にお金のかかる炭鉱では
山東省や発電所にもっと近い炭鉱より
地理的に不利だと私の方が早合点してしまったからです。

しかし、その後の動きを見ていると、
そうしたマイナスを立派に克服しただけでなく、
年間に5000万トンの供給ができるだけでなく、
石油の値上がりに対抗するために石炭の液化に着手しているので、
次世代の対策も着々と進んでいると見てよいでしょう。

世界的に株価が大暴落をしているさなかで
こうした粒よりの優良株をどう扱ったらいいのか、
これは私が口出しをするよりも
皆さんのご判断に任せるにこしたことはありません。
秋には香港市場に上場する予定であるのと、
原子力発電への不信感が強まる中で、
石炭に対する需要がどう変わるのか、
更には石炭の液化がどうとらえられるかによって、
投資家の評価も変わって当然でしょう。

私は次の時代の資源の中に
石炭や鉄やアルミは除外していましたが、
モンゴル、内モンゴルと一走りして見て、
銅やモリブデンやニッケルやタングステンや稀土稀金属のほかに
いくらでもありそうな資源にも
もう一度注目すべきことを教えられているところです。


←前回記事へ

2011年9月6日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ