中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4200回
中国人はお金の貯めすぎです

私たちから見ると、
アメリカ人は収入に比してお金の使いすぎですが、
逆に中国人はお金の貯めすぎではないでしょうか。
バブルのはじける少し前に、日本の輸出にはずみがついて、
日本に外貨がドンドン貯まりはじめたことがあります。
日本政府は円高にスピードがかかるのを怖れて、
市中銀行を通じて民間に外貨の大量融資をし、
海外投資を奨励した一時期があります。

日本の銀行がカリフォルニアに進出して
次々とアメリカの銀行の買収にかかり、
カリフォルニアは第二の満州になるのではないかと
思いたくなる一時期がありました。
私も、もしかしたらアメリカで不動産投資の事業が
できるんじゃないかと考え、グループを組織して
アメリカの経済視察に出かけたことがあります。

その頃、カリフォルニア州に進出した華僑の人たちと
面識があるようになりましたが、華僑の組織した銀行が
中国人のたくさん住んでいる地域に支店をつくると、
1年で黒字になりますと盛んに自慢していました。
どうしてかというと、
華僑の収入は現地のアメリカ人に比べると金額は少いけれど、
収入の半分を貯蓄にまわすので、
銀行は忽ち融資にまわす資金ができるんだと説明を受けました。

「アメリカ人相手の銀行の支店長が私たちの現場を見に来て、
どうしてだとききますから、
君んとこのお客はカードで買物ばかりして
まるで貯蓄などしないだろう。
うちのお客を見て下さい。
ドンドンお金を持って来て預けてくれるから、
うちはたちまち貸すお金ができて、
初年度から黒字になるんですよ」

出稼ぎにアメリカに行く中国人だって、
アメリカ人の気風に馴染まず、せっせと貯蓄に励みます。
貧乏で使うお金がないのが当たり前の生き方をしてきたのですから、
少々余分のお金が入ってくるようになると、
万一のことを考えて、使う方にまわさずに貯蓄にまわすのです。
これが中国人がアメリカ人と最も違うところではないかと
私は見ています。


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2011年9月9日(金)

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