中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4227
今はまたとないナンピンのチャンス

株が大暴落した時、真っ青になる人が結構たくさんいます。
下げた時にあわてて投げれば、損は確定しますが、
売らなければまだ損をしたことにはなりません。
過去に起ったことをふりかえって見れば、
すぐにわかることですが、景気も天気と同じように、
嵐がすぎればやがて早い遅いの違いはあっても、
またとない好景気が戻ってきます。

もちろん、自分がいいと思って買った株が
順調に戻るとは限りません。
大地震で被害を蒙る企業もあれば、
不良債権が大量に発生して
銀行株がピンチにおちいることもあります。
でも生活に必要な食糧を供給しているような企業とか、
石油や石炭や鉄鉱石や銅や水など
生活に絶対に必要な資産を提供している企業が
仕事を失うことは先ずありません。

ですから自分が選んだ株が、
嵐のすぎた後もすぐ活気を取り戻す業種であれば、
そもそも心配することなど何もないのです。
むしろ自分が買った時の半分に下げておれば、
半分の値段で同じ株が手に入るのですから、
ナンピンをかける絶好のチャンスです。
問題はもう預金通帳の中も空っぽに近く、
買いたくとも買うお金がないことです。

ではそういう時にどうするかです。
お金を借りるということもあり得ます。
証券市場によっては持株を担保に入れて
信用売買をすることも可能です。
でも私の経験では借金をして株式売買をすると
情緒不安定におちいって冷静な判断ができなくなる――
という心配があります。
ですから私の株式投資三原則の中には
「借金して株を買うな」というきびしい自戒の掟があります。
たとえ借金によってうまくあたったとしても
そのために消耗するエネルギーのことを考えたら
割りに合わないというのが私の体験です。

それでも私はナンピンするお金があるので毎日、
どの株にナンピンをかけるか作戦を練っています。
体験に教えられて初土俵の人よりは少しは知恵があるのです。


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2011年10月6日(木)

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