中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4226回
薬品株と食品株が暴落したわけ

雨潤食品について私がどう言ったとか、
亨泰の株を30セントに下がったら買いなさいと
邱友会で言ったとか、
嘘出鱈目を他のホーム・ページに書いた人がありますが、
邱友会のルール違反ですから、
どうぞ二度とおいでにならないで下さい。
邱友会はごく内輪の勉強会で、
私でさえ喋ることにとても気をつけていますので、
どの株をいくらで買えと言うことは先ずありません。
株をいくらで買うかはご本人が自分の判断と責任で
買うものだと私は考えているからです。

ところで9月末になると、亨泰の決算発表がありました。
発表よりかなり前から今期は前期より業績が後退する旨
警告がありましたから、あわてて投げる人が続出したのと、
世界的な株安が重なりあってかなりの下値まで売られました。
亨泰の場合株主のことを全く念頭におかない経営者によって
運営されている会社という印象をお持ちになっていますか。
もしそういう企業であれば、一頃、
私も買値の4倍にもなったのですから、
とっくの昔に売りとばしている筈です。

ことしの証券市場で政府の政策によって
かなり痛めつけられている業界に製薬業界と食品業界があります。
中国人は健康に人一倍神経を使う国民ですから、
どこの病院も大入り満員だし、薬品もとぶように売れています。
本当は政府は病院と医科大学と
薬品の増税、研究に力を入れるべきなのに、そのへんは怠って、
新幹線のスピードをあげることにばかり血道をあげてきたので、
交通事故で怪我人がふえても、
片手に人民元を持っているところを見せないと、
手術どころか、病院にすら入れてもらえないのです。

こうした失政に対するお役人の急場の対象は
薬価の押さ込みと食品衛生の罰則強化ですから、
薬の株の冷え込みと食品の値上がりが起っていることは
皆さんご存知の通りです。
なかでも食品の衛生に対する管理は
かつてないほどきびしくなっています。
食肉から野菜のメーカーまで上場企業の業績が
軒並み減収減配になっているのは決して偶然ではありません。


←前回記事へ

2011年10月5日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ