中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4243回
バブルがはじけても国内消費はふえる

バブルがはじけると言っても、
日本と中国では環境も国情も違います。
日本の場合は、日銀が不動産関連事業への融資を
全面的にストップすると、
バブルが一世にはじける方向に向いましたが、
中国は早くから不動産ブームになることを想定して、
金融引締めをスタートしているので、
日本ほど不動産ブームは激しくありません。

また日本では金融引締めがはじまると、
不動産業界だけでなく、産業界全体が不況に見舞われましたが、
中国では過剰流動性による不動産ブームがはじまっても、
その後を追うようにして産業界に人手不足が続き、
恐らく今後10年にわたって
毎年のように人件費の高騰が続き、有効需要の増大が続くので、
消費の増大が不動産所得の減少をカバーします。
ですから不動産業界や銀行は
ピンチに見舞われる可能性がありますが、
国内消費は依然として拡大が続き、
食糧の不足や資源のコストアップが考えられます。

とりわけ食品の高騰は
過剰流動性の発生と同時に避けられなくなるので、
政府は何とかしてそれを抑えにかかっていますが、
食品ばかりは価格を抑えにかかると、
直ちに市場から姿を消してしまうので、
増産を奨励する以外に方法はありません。
それが間に合わないで、豚肉がいきなり5割もあがると、
1年に3000万頭も処理している
雨潤食品の1頭か2頭にケチをつけて、
何と雨潤の株が30ドルから
いきなり10ドルを切る値段まで大暴落をしました。

それで豚肉の供給がふえるなら問題はないのですが、
食糧と不動産は勝手が違いますので、
メーカーにあれこれ注文をつけても
供給がふえるわけではありません。
むしろ値上がりしてお金が儲かることがわかれば、
供給がふえますから、
業者に儲けるチャンスをあたえればあたえるほど
問題を片づけることができるのではないでしょうか。
ことしはちょうどその逆の締めつけをやったために
食肉業界も製薬業者も皆頭を抱えていますが。


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2011年10月22日(土)

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