中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4242回
バブルはすぐにははじけません

中国における投機集団の総本山と言われる温州で、
月に25%の高利が横行し、
金づまりに追い込まれた財界トップの夜逃げと
跳び下り自殺がはじまったので、
いよいよバブルがはじけて、かつて日本で起ったような
不動産の大暴落がスタートするぞと
早合点する人がいたとしても、おかしくはありません。

でもバブルがはじけるとしても、
今すぐはじけるわけではありません。
日本だって好況と不動産の値上がりが続いているさなかで、
不動産の高騰に政府がブレーキをかけても、
土地神話にずっと頭の中を占領されていた大半の日本人は
土地が値下がりするとは信じていませんでした。
ですから銀行に催促されても、土地を売る人はいなかったのです。

銀行からお金を借りて不動産に投資していた人たちは
土地か株を担保に入れていました。
金利と元金の返済を迫られると、
債務者は先ず株を売らされることからはじめましたが、
2年たっても3年たっても返済ができなくなると、
担保物件の競売を強いられるようになりました。
しかし、その時はもう土地に食指を動かす人は全くいなくなり、
何と地価は最高値から10分の1まで大暴落してしまったのです。

不良債権を大量に抱えた銀行が身動きできなくなって
バタバタと倒産したことは皆さんもご存じの通りです。
中国だって不動産なら絶対大丈夫だと信じている人たちが
不動産を買っているのですから、
そう簡単に下げるとは思わない人が大半で、
株を換金して投げる人はいませんから、
そう簡単には下がらないと見て間違いないでしょう。

しかし、粘りに粘っても、政府は金融引締めを続けるし、
不動産ブームがすぎて空家が目立つようになると、
買う人がいなくなります。
不動産の不況はそれから本格化するのです。
明日にもバブルがはじけるわけではありません。
私は再来年くらいではないかと言いましたが、
それだってその時が近づいてみないとわかりません。
とにかくすぐではないと考えて間違いありません。


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2011年10月21日(金)

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